世界のファッション業界はどのように戦争に対し反応しているのか

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今日、ウクライナを支援しないことは流行しなくなってきています。Chanel, Balenciaga, Gucciやその他の世界のファッション界の巨人がウクライナへのサポートを公に表明しています。それらの多くは、ウクライナ人を支援する慈善団体への寄付を行っています。メイ・マスクはウクライナのデザイナーがデザインしたドレスを着用し、ロシアによるウクライナ侵攻に関する最初のコレクションはすでに世界のファッションショーに登場しています。

3月1日、Vogue Ukraineは、ロシアへの商品の輸出を禁止するようファッション・ブランド業界に訴求する旨を発表しました。発表では、VMH, Kering, Richemont, Prada Group, Swatch Group, Puig, Chanel, Hermès, Dolce & Gabbana, Max Mara, Burberry, Valentino, Versace, Hugo Boss, Calzedonia, Shiseidoといったブランド企業が挙げられています。

1Granaryの創設者であるオーリャ・クリシチュクは、「ファッション業界とそのリーダーたちがウクライナを支持し、ロシアの侵略を強く非難する」ことを求める書面への署名を集めています。そしてデザイナーのスヴィトラーナ・ベヴザは、キーウでの戦時中の彼女の個人的な経験を共有しました。彼女の話はアメリカのVogueに掲載されました。

ウクライナのデザイナー、ジャン・フリッツフェリトは、ベルリン・ファッションウィークのMercedes-Benz Fashion Weekで衣服コレクションを発表しました。今回のベルリン・ファッションウィークは、1分間の黙祷から始まりました。服には「ウクライナ」、「パリャニツィヤ」「歌」「愛」「尊敬」「声」「美」「意志」といった言葉が表現されていました。フィナーレでは、大きな旗がステージに運ばれ、ウクライナを支持する世界中の有名なウクライナ人やセレブたちの映像が公開されました。

「ファッションは現在を反映したものではなく、今後何年にもわたる未来を常に見据えています。今日、デザイナーとしての私の武器は、ファッションツールです。現在、ウクライナと地球上のすべての人々の自由を望みながら、私は明日の自由のために戦っています。これが私の強みであり、私の使命です。すべての人々は、自分たちの土地や家で自由かつ安全に生活する権利を持っています」とジャン・フリッツフェリトは述べています。

メイ・マスクは、デザイナーのユリア・マフディッチがデザインしたドレスの1つを着用し、ウクライナへの支持を表明しました。ユリア・マフディッチは、収益のすべてをウクライナ軍に寄付しています。

メイ・マスクはまた、ルツクのブランドであるEdelvikaのヴィシヴァンカを着用しました。Edelvikaは、軍で必要な生地をウクライナで製造し続けています。

Chanelはウクライナへの支持を公表しました。同社は難民を支援するために200万ユーロを寄付しました。また、パートナーと緊密に協力して、ウクライナの女性と子供たちのために将来的に重要な支援を提供すると述べました。同社はまた、従業員からの寄付を募っています。

Versaceの親会社であるCapri Holdingsは、「ウクライナの悲劇的な危機」と同社が述べているように、これによる避難者と負傷者を支援するために寄付を行うことを決定しました。寄付は、世界中の飢餓と闘っている国連の機関であるWFP(世界食糧計画)に寄付されます。また、同社は現在、戦争の影響を受けた海外のウクライナ人を支援するキャンペーンを開始しています。

Demna Gvasaliaのジョージア出身のデザイナーでありBalenciaga のクリエイティブディレクターでもあるデムナ・ヴァザリアは、公にウクライナを支持しています。彼は以下の通り投稿しています:

「ウクライナでの戦争は、私が受けてきた過去のトラウマの痛みを呼び起こしました。それは私の母国でも同じことが起こった1993年以来私が背負ってきたもので、私は永遠に難民になりました。永遠にです。なぜなら、それが自分の中に残されているものだからです。恐れ、絶望、誰もあなたを必要としないという認識といったもの。しかし、私はまた、人生で本当に重要なこと、つまり人生そのもの、人間の愛と思いやりというものに気づきました。このような時にこのショーに取り組むことは、私にとって非常に困難でした。なぜなら、そのような時にファッションはその妥当性と実際の生存権を失っているからです。ファッションウィークはばかげているように見えます。一瞬、ショーをキャンセルすることを考えました。しかし、それから私は、それは30年間私を傷つけてきた悪に屈服することを意味するということに気づきました。私は、この無意味で無情で自分勝手な戦争のために自分の一部を犠牲にすることはもうできないと決心しました。このショーは説明を必要としません。それは恐れを知らない勇敢さ、抵抗、愛と平和の勝利への献身です。」

そして、ファッションハウスのショーが行われ、そこでウクライナについても言及されました。ゲスト用の椅子には黄色と青のTシャツが置かれ、ウクライナの国旗の2色を施したコーデがコレクションに追加されました。

Tapestry, Inc.は、国連難民高等弁務官事務所に10万ドルを寄付し、スタッフが集めた人道援助を2倍にして寄付を行っていると発表しました。同社の一つであるKate Spade New Yorkは、ウクライナからの避難民について取り組んでいる国際救助委員会にさらに25,000ドルを寄付する旨を述べました

Louis Vuitton Moët Hennessyは、赤十字国際委員会に5,000,000ユーロの「最初の緊急寄付」を寄付することを発表し、社内募金キャンペーンを組織しています。

OTB Foundation(非営利団体。同名のOTBグループという企業共同体にはDiesel, Maison Margiela, Marni, Viktor & Rolf, Jil Sander, Amiriが所属する)とCamera Nazionale della Moda Italiana(CNDM)は避難民のウクライナ人を支援する国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と連携しています。

パリファッションウィークのショーに際し、Acne Studiosは、ブランドが「ウクライナ市民と連帯して」、ロシアでの活動を停止し、UNHCRとユニセフに10万ユーロを寄付したことを投稿しています

アディダスは火曜日に国際サッカー連盟(FIFA)と欧州サッカー連盟(UEFA)がロシアのチームの出場停止に関する声明を発表した後、ロシアサッカー連盟とのパートナーシップを停止し、ロシアのすべての店舗での営業停止を発表しました

「私たちは、恐怖と不信を持ってウクライナでの衝撃的な出来事を目の当たりにしました。ロシアでのビジネスを継続することは不適当で間違っているという結論に達し、本日、ロシアでの販売を停止しました。」とASOSは水曜日にツイッターに投稿しました。「私たちは人道援助の提供と、ウクライナの人々に対する私たちの見解を支持します。」とも述べています。

GANNIは、ウクライナの人々との連帯を示すためロシアとのすべてのビジネスを停止している、とInstagramの投稿で述べています。同社はまた、戦争避難民への援助を支援するために、10万デンマーククローネをデンマーク難民評議会に寄付しています。

ウクライナの店舗が一時的に閉鎖された後、H&M Group(H&M, COS, Weekday, Monki, & Other Stories, Arket, Afound の親会社)はロシアでのすべての販売を停止しました。「H&Mグループはウクライナでの悲劇的な事態を深く憂慮しており、苦しんでいるすべての人々を支援しています。」と同社は述べ、H&M Foundationを通じてセーブ・ザ・チルドレンと国連難民高等弁務官事務所に寄付したとも伝えています。「H&Mグループはすべての仲間のことを思い、平和を求めるすべての人々と一緒になります。」とも述べています。

CNNの報道によると、ZARAの親会社であるInditexは、「現在の状況下では(同社は)ロシアにおけるビジネス活動の継続性とビジネス環境を保証することはできない。」と説明し、ロシアでの事業を一時的に停止し全国の502店舗を閉鎖しました。

「ウクライナの危機に対する我々の人道的およびビジネス的対応」と題された声明の中で、Levi Strauss&Coは、「現地で発生している甚大な混乱により通常のビジネスが不可能な状況にあることから、LS&Co.は、ロシアでのビジネス活動を一時的に停止し、新たな投資も含めて停止します。当社は、この決定により影響を受けた従業員、パートナー、およびその家族を今後数ヶ月間支援することを約束します。」と 述べています

ロシア語版サイトで、Nikeは「お客様への商品の配送を保証できない」ため、国内でのオンライン販売の停止を発表しましたWall Street Journalによると、同社は後にロシアの自営店・直営店を一時的に閉鎖したが、従業員への給与の支払い続けられています。

ジュエリーブランドのPandoraは、ロシアによるウクライナへの全面侵攻が行われた最初の日に、ウクライナの子供たちを支援しているユニセフに対し100万ドルを寄付しました。

スコットランドのブランドGreat Scotは、ウクライナとの連帯を示すため新しい伝統的なスコットランドのタータン柄をデザインしました。青と黄色のこの柄は「ウクライナフォーエバー」と名付けられました。

上記の企業に加えて、次の企業が店舗を閉鎖、配送を停止、または協業を停止しました:Hermès, Cartier, Crocs Inc., Farfetch, iHerb, Marks & Spencer, Swarovski, Puma, Victoriaʼs Secret, Uniqlo。

ハンガリーの会社であるNanushkaでは、同社が卸売パートナーと新しい契約を結ぶことはなく、未払いの注文を履行せず、国内で配達を行わない点に言及しつつ、ロシアとの財務面での関係を断ち切っている、と同社のCEOであるPeter Baldastiは述べています。「私たちはロシアの人々と私たちのパートナーを尊重しています。これが彼らの決定ではないことを私たちは知っているが、私たちの道徳的価値観に反してロシアと取引することは不可能です。」と述べています。同社はまた、パリ・ファッションウィークのプレゼンテーションで弦楽四重奏団にウクライナ国歌を演奏するよう依頼し、また、その際モデルはウクライナの国旗の色で化粧を施していました。

Mangoは、ウクライナの状況に関し悲しみと懸念の意を述べています。彼らは、国を去った会社の現地従業員とその親族のためのメンタリングを開始しました。彼らは法的および財政的支援を提供しています。ウクライナに残っている従業員にも経済的支援が提供されています。Mangoは、赤十字運動に対し10万ユーロを寄付しました。

「ロシアの800人の従業員、およびフランチャイズとパートナーに対する責任を考慮して、私たちは最後の瞬間までロシアでの活動を保護しようとしました。しかし、結果的にマンゴーはロシアでの活動を一時的に停止し、ブランドストアとオンラインプラットフォームを閉鎖し、ロシアへの商品の配送を停止することを決定しました。」

しかし、Mangoは本社でもロシア人スタッフに対して支援しています。同社は、フランチャイズと主要パートナーがロシアで事業を継続し、在庫があれば市場で商品を流通できるようになると述べています。

残念ながら、世界のファッション業界には、ロシアのウクライナとの全面戦争についての公式声明で、それを紛争または危機と呼び、中立的な立場を取り、フランチャイズの一部をロシアに残すブランドがまだたくさんあります。

また、当初ロシア市場からの撤退を拒否した企業が、世論からの批判により決定を変更したり、ヘイトを受けた場合も多くあります。この立場はレピュテーションの点でマイナスになり、やがてそのような企業はロシアでのビジネスを終了すること発表します。間もなく、ロシア人はベラルーシのニットウェアと「ロシアのおばあちゃんからのミトン」だけしか残らなくなるでしょう。

コンテンツ作成スタッフ

プロジェクト企画:

ボフダン・ロフヴィネンコ

企画:

トーニャ・アンドリチューク

編集長:

イェウヘーニヤ・サポジニコヴァ

編集:

アナスタシヤ・フリコ

写真編集:

ユーリー・ステファニャク

コンテンツマネージャー:

カテリーナ・ユゼフィク

翻訳:

藤田 勝利