クリエイティブな武器としての切手

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全面戦争中に切手を集めることは、ウクライナのコレクターの間での狭い範囲の趣味であるだけでなく、敵に対する真の創造的な武器でもあります。ウクライナ軍への資金源となる武器です。ロシアの侵略者に対する国民的な抵抗の具体的な表れとして、特別な切手は、熱心な収集家だけでなく、切手収集家でない人たちも購入したいと考えています。このように文化面での抵抗と最前線の軍の両方がサポートされているのです。そして、彼らはまた、勝利に近づくことに対して財政的に貢献しています。

戦争にちなんだ「ウクルポシュタ」の切手

「ウクルポシュタ」はクリエイティブな「切手のマラソン」を開始しました。2022年4月、「ウクルポシュタ」は、ロシアの侵略が始まって以来、すべてのウクライナ人にとって象徴的なフレーズとなった「ロシアの軍艦、消え失せろ!」と書かれた切手を販売しました。ズミイニー島のウクライナ国境警備隊がロシアの占領者からの降伏するように言われた際の回答は、ウクライナの抵抗の強力なメッセージであり、今もなお続いています。その表現は文字通りウクライナ中に広まり、その上、それは世界で認識されるようになりました。ある意味でこれは、このフレーズとともに発行された切手だけでなく、慈善目的で販売されている他のグッズにおける成功の鍵となっています。

写真:ユーリ・ステファニャク

「ロシアの軍艦、消え失せろ!」の切手はシリーズで最初のものとなりました。その中の2番目(そして最後)のものは「おしまいだ」という短いフレーズとこのフレーズが実現した日付である2002年4月14日が描かれたものでした。その時、ロシア艦隊の旗艦である巡洋艦「モスクワ」が、ウクライナの対艦ミサイル「ネプチューン」に攻撃された結果、沈没しました。

写真:ユーリ・ステファニャク

20の選択肢の中からオンライン投票で勝利した「ロシアの軍艦、消え失せろ!」切手のイラスト作者は、2014年、クリミア占領後にリヴィウへと引っ越したクリミアの芸術家であるボリス・フロフです。この切手は実際に大きな人気を集めました。その切手の発行部数は100万枚とウクライナで歴史的なものとなり、最初の5日間で、50万部が販売されました。象徴的でユニークな切手を購入するために、人々は長い列に作って「ウクルポシュタ」の支店に並んでいました。「ロシア軍艦…おしまいだ!」の切手も劣らず、総発行部数は500万枚、わずか2日間で約200万枚が販売されました。

写真:ウクルインフォルム

このユニークな切手はチャリティーでも積極的に機能しています。それらは転売されたり、ウクライナや外国のオークション(ProzorroやeBayなど)にかけられたり、ウクライナ軍への寄付の賞品としてソーシャルネットワークで抽選されたりしています(例:「コンブリフ・パナス」

戦争をテーマにした次の切手は「ウクライナの夢(ムリーヤ)」でした。この切手は6月28日にリリースされました。これは、ロシアの占領軍の空襲により全焼した世界最大の輸送機AN-225「ムリーヤ」にちなんで作成されましたが、それ以来ウクライナ人は「私たちの夢は燃やされるものではない」と言っています。切手には「こんばんは、ウクライナからきました!」という有名なフレーズの入ったイラストや、世界的に有名な地雷探知犬のパトロン、ミツバチのように疲れを知らないボランティアなどのイラストも使用されています。そのため、切手は、ウクライナ人のユーモアのセンスに加えて、シンボルへの愛情と敵への憎しみが認識でき、再び人気を博しており所有者から高く評価されています。

ウクライナの切手がウクライナ軍をどのように支援しているのか

4月22日、「ロシアの軍艦、消え失せろ!」の切手が6枚入ったセットと、この有名なフレーズの作者(長い間ロマン・フリボフが作者とされていましたが、5月23日に捕虜から解放されるまで本物の作者の名前は隠されていました)と「ウクルポシュタ」のゼネラルディレクターであるイーホル・スミリャンシキーののサインが入った封筒は、500万フリヴニャという記録的な金額でProzorroオークションで売却されました。バイヤーであり慈善家のルイス・ペレス(彼の名前は、彼についてこれまでに知られている唯一のものです)は、自身がウクライナ国立銀行の口座に送金するとすぐに切手を受け取ることができます。ちなみに、切手の最初の販売価格は25,000フリヴニャでした。

5月には、monobankの共同創設者であるオレフ・ホロホウシキーも、当時すべてのウクライナ人が欲しがった切手を利用したチャリティーキャンペーンを開始しました。3日間で抽選セットは合計8,754,000フリヴニャを集めました。アイデアは6枚の切手の抽選から始まりましたが、最終的には180枚に増えました。それくらい多くの参加者がいたのです。参加条件は100フリヴニャ以上を送金することでした。キャンペーンの結果は予想を大幅に上回りました。25,064人のユーザーから33,521件の送金がありました。銀行の共同創設者は、収益を1,000万UAHに切り上げ、ウクライナ軍用ドローンのためにセルヒー・プリトゥーラ基金に送金しました。

ロシアの船の悲しい運命に関する「ウクルポシュタ」のクリエイティブな切手シリーズは、ウクライナのメディアが軍のために資金を調達するのに役立っています。たとえば、オンライン出版社「ウクラインシカ・プラウダ」のジャーナリストであるミハイロ・トゥカチは、5月末に34枚の伝説的な切手シリーズの抽選会を発表しました。特に、「ウクルポシュタ」のイーホル・スミリャンシキーのサインが入った切手は100部しかありません。勝者は、100フリヴニャ以上の寄付をした人の中からランダムに選ばれました。わずか9日間で、110万フリヴニャを集めることができました。すべての資金は、ウクライナの防衛者となったジャーナリストのデニス・ビフス、ドローン購入、「Soborna Ukraine」基金、#ActForUkraine基金に送金されました。1回の送金で記録された最高金額は100,000フリヴニャにも上りました。

リヴィウのジャーナリストで活動家のオレクサンドラ・フビツカは、第80空中強襲旅団の車両への慈善寄付と引き換えに、切手を抽選しました。その結果、91,000フリヴニャ以上を集めることができました。ジャーナリストのマリヤ・ステツュクは、ウクライナ軍のドローン、車両、燃料の資金を集めるため、最大の慈善寄付へ切手を寄付しました。切手は20,000フリヴニャを送金した男性が受け取りました。

切手がウクライナをサポートするために機能したもう一つの成功例は、フメリニーツキーでのオークションです。それはウクライナの歌手でバンドゥーラ奏者のマリーナ・クルチによって組織され、これによりウクライナ東部の戦闘機の弾薬用に51,000フリヴニャを集めることができました。

ウクライナに友好的な国の切手

郵便の世界では、特にウクライナのテーマやシンボルが描かれた切手など、クリエイティブなものに対する機運が非常に高まっています。全面戦争が始まって以来、11カ国のさまざまな郵便事業社が少なくとも44種類の切手を発行し、その総発行部数は400万部に上ります。

ウクライナのパートナー国が現在発行している切手は、通常の切手と芸術的な切手の両方の場合があります。多くの場合、限定シリーズであり、収集用であることが多いですが、通常の郵便切手としても使用することができます。したがって、トロントのウクライナ収集家協会は、ウクライナを支援するために特別な切手を発行しました。カナダの国内でのみ流通していますが、その販売による収益(5カナダドル/個)は、ウクライナ国防軍の友の基金に送金されます。

多くのヨーロッパ諸国は、ウクライナを支援するため、ウクライナのシンボルを使用するなどして切手を発行しました。

ポーランド

Poczta Polskaは、ゼレンシキー大統領のポートレートを使用した限定シリーズの切手を作成しました。総発行部数は891枚です。ポーランドのロシア大使館にも、このような切手が入ったハガキが1枚送られたことが知られています。切手1セットの価格は4,500ズウォティです(約30,000フリヴニャまたは切手1枚あたり3,200フリヴニャ。)それらは1時間で完売しました。獲得したすべての資金は、ウクライナの人道援助を購入するために使用されます。切手の1つは、5月にポーランド議会の代表団がキーウを訪問した際にゼレンシキー大統領に贈られました。

さらに、ポーランドではウクライナを支持するために、最も大規模な切手発行が行われました。3月には「我々はあなたたちとともに!」というスローガンが描かれた切手が300万枚発売されました。約306,000ドルの全利益はウクライナを支援するために送られています。

リトアニア

リトアニアの郵便局は、テーマに沿った切手40,000部を発行しました。切手は2ユーロで販売されており、その価格の半分はウクライナ人への人道援助に使われています。

リトアニア人はまた、「バイラクタル」のイラストが描かれた切手を販売し、3日間で集めた資金をウクライナ軍に送金しました。ちなみに、トルコの無人航空機メーカーは、販売するのではなく、積極的な市民活動に対してリトアニア人に「バイラクタル」を寄付することにしました。彼らは依然としてウクライナ軍を支援しており、集められた資金で必要な装備を購入しました。また、この無人航空機メーカーは、ウクライナでも人々​​のイニシアチブに対して「バイラクタル」を寄付するという伝統を続けています(セルヒー・プリトゥーラ基金が主催した「国民のバイラクタル」の募金活動の結果についてです)

エストニア

郵便事業社のOmnivaは、地理的な使用制限がなく世界中で流通可能な平和の鳩が描かれた切手をリリースしました。 「ウクライナに栄光あれ!」というスローガンにエストニア人は「エストニアはウクライナを支援する」というフレーズを追加しました。

クロアチア

友情と相互支援の象徴として「ウクライナの平和のために」3万枚の切手を発行しましhた。

オーストリア

「平和のためにともに」をスローガンにした20万枚の切手を発行しました。

ルクセンブルク

ウクライナ難民への連帯と支援のしるしとして、特別な切手を発行しました。

スペイン

両国の郵便事業社である「ウクルポシュタ」と「Correos」のロゴが配置された黄青色の切手「スペインはウクライナとともに」が作成されました。切手の発行部数は64万部です。ちなみに、このスペインの郵便事業社の従業員は、ウクライナを支援するための製品の収集と発送に参加しました。

フランス

ウクライナを支援するために発行された特別な切手で、フランス人が全面戦争を危機と呼んだという事実にもかかわらず、それは依然として慈善のために機能するでしょう。販売からの収益のほぼ半分(525,000部)はウクライナ人を支援するために送られます。

ウクライナの心と不屈の精神は、他の大陸の切手に対する創造性と郵便事業者に影響を与えました。

写真:ユーリ・ステファニャク

ニジェール

ニジェール人たちは、示された方向に従った災いに遭ったロシアの船舶に関してだけでなく、ロシアへの抵抗に際し際立ったウクライナ軍の2人のパイロットであるステパン・タラバルカとオレクサンドル・オクサンチェンコに捧げた切手シリーズを発行しました。両名とも英雄的に死亡し、戦闘任務を遂行し、何百人ものウクライナの一般市民の命を救いました。ニジェールの郵便局では、ウクライナ大統領に捧げられた切手も流通しています。

シエラレオネ

「ウクライナに栄光あれ」「ローマ教皇がウクライナのために祈る」「消防士はウクライナの英雄」「ウクライナを支援している著名人」「オクサンチェンコ大佐」「ウクライナの軍用機」などといったさまざまなテーマに沿った19枚の切手シリーズがここで発行されました。

これらの切手はすべて、通常の郵便切手としてだけでなく、ウクライナに対する支援と連帯のしるしとしても価値があります。それらの販売からの資金は、戦争の被害を受けた人たちのニーズだけでなく、国際的な基金に対しても送られます。このように、切手の創造性はウクライナの勝利にも貢献しているのです。

コンテンツ作成スタッフ

プロジェクト企画:

ボフダン・ロフヴィネンコ

企画:

インナ・クルプニク

編集長:

ナタリヤ・ポネディロク

編集:

アンナ・ヤブルチナ

写真編集,

カバー作者:

ユーリー・ステファニャク

コンテンツマネージャー:

カテリーナ・ユゼフィク

翻訳:

藤田 勝利