ロシア軍に損失はない いやある

Share this...
Facebook
Twitter

「あなたがこの土地が欲しがったから、今そこに埋葬されている」これは、ウクライナの歌手スタシク(СТАСІК)の「敵への子守歌(Колискова для ворогів)」という歌の一節ですが、何千人ものロシア兵にとって現実のものとなりました。ウクライナへの本格的な戦争を開始した「世界第2位の軍隊」は、侵略の初日から死者数について沈黙を守り、親族が彼らを「偉大な祖国」に埋めるために彼らの遺体を受け取ることを拒否しています。

!
この記事には、VPNを介することで閲覧可能なロシアのサイトへのリンクが含まれています。

2月24日から135日の間、ロシア軍における死者数は約36,900人と、2022年7月8日の時点でウクライナ国防省によって記録されています。この数字は毎日増え続けています。

しかし、ロシアは、実際の損失について認識すること、そしてそれについて国民に知らせることを後回しにしています。ロシア国防省の公のコミュニケーションは、控えめに言っても、一貫性がありません。そして、よく言われているように、魚は頭から腐ります。

ウクライナで最初に殺害されたロシア兵の名前は戦争の3日目にすでに発表されていたという事実にもかかわらず(情報は兵士の出身地であるダゲスタンの首長によってソーシャルネットワーク上で公開されました)、公式的な発表は長い間されませんでした。

ロシア国防省が公式に発表した最初の情報では、498人が死亡したとされています(本格的な戦争が始まってから1週間後の3月2日付けの声明。)同時にロシアのBBCサービスが557人が死亡したと発表し、実際に混乱が起きました。その後、501人の軍人が死亡したという情報が公開されました。これはすべて、ロシア国防省の声明と一致していません。学校の算数が苦手だった人でもいたのでしょう。

そして、侵略が始まってから1か月後の3月25日、ロシアはついに新しい情報、つまり1,351人が死亡したという情報を公式に発表しましたが、これは真実からかけ離れています。

「残念ながら、特別軍事作戦において、私たちの同志の間で損失があります。現在までに、1,351人の軍人が死亡し、3,825人が負傷しました」と述べました。

ロシア当局は最後まで軍事神話作りの伝統を止めることはなく、自分たちの軍隊を強力で不滅のものとして描写したいようです。下院の国防委員会の委員長が6月の初めに、ロシア軍では実質的に損失が発生しなくなったと発言しています。3月の1,351人という人数で、死亡した兵士の登録作業は停止しました。ちなみに、ロシア連邦が依然として「特殊作戦」と呼んでいる戦争が始まってから100日目でさえ、同じ数字がいくつかのロシアのマスメディアによって示されました。しかし、最初に公式に認められた死亡者数に加えて4月末に一部のメディアが発表した死亡者数は、たったの548人でした。

ロシアに行ってきた他の戦争の経験から、本当の損失はロシア人から隠され続けることでしょう。「知っていることが少なければ少ないほど、よく眠れる」という、よく知られているロシアのことわざがあるのも不思議ではありません。

そして、ロシア人が情報をさらに知りたいまたはさらに伝えたい場合に備えて、ロシア連邦の刑法に新しい条項が掲載されました。これによると、ロシア軍に関するフェイク情報や、ロシア軍の信用を傷つけることを目的とした行動は、3〜15年の収監に処せられる可能性があります。

最初の刑事事件はすでに行われています。残虐な独裁者が言うように、すべてが計画通りに進んでいます。

ロシアによる全面的な侵略の初めにプーチンと軍の指導部がウクライナでの徴集兵の存在を否定した状況で、いわゆる「特別作戦」にて殺された兵士の家族に対する支払いに関する情報が出現したことは、ロシアによる軍事的損失の事実に対する認識の第一歩と見なすことができます。

当初、プーチンの兵士たちの命に対する見積もりは非常に控えめで、とてもケチだったとさえ言えるかもしれません。ロシアの勇敢な兵士一人一人の死のために、プーチンはその家族に11,000ルーブルを支払うことを計画しました。これは、当時の為替レートで50ドルでした。2日後、その金額はわずかに変化し、プーチンは「特殊作戦」中に死亡した各兵士の家族に7,421,000ルーブルを一度支払うことを約束しています。

死亡者について、良いか何もないかのどちらか。何もないほうがいい。

戦争に関するロシアのコミュニケーションの特徴は、ウクライナで軍人の死について通知する「草の根」的なスキームです。つまり、情報を最初に公開しているのはロシアの政府筋ではなく、地域のメディアや単に故人に関係する人々、または故人を個人的に知っている人々なのです。

死亡したロシア兵士に対するメディアの言及は、彼らの英雄主義と「ウクライナのナチス」からの「解放」によって特徴づけられています。

情報の断片的な提示、ロシア軍の力に対する絶え間ない信念、およびウクライナ国防省からのデータに対する反駁は、ロシア連邦の典型的なコミュニケーション手段です。

したがって、ロシア人は当局にとって都合のいい歪んだ全体図を見ています。ロシアの新しい法律であるフェイクに関する法律に対する刑事責任を恐れているので、多かれ少なかれ反対のメディアでさえ、明らかに「第四の権力」として活動するリスクを冒していません。

興味深いメディアの出来事が2022年3月21日に起こりました。プロパガンダ的出版社である「コムソモリスカヤ・プラヴダ」が、約10,000人のロシア兵がウクライナでの戦争ですでに死亡し、16,000人以上が負傷したという記事を出版し、すぐに削除しました。

この「一時的な」記事で、「コムソモリスカヤ・プラヴダ」はロシア国防省について言及しました。ウクライナのメディアと軍事アナリストは、この記事の出現を「infovkid」見なし、犠牲者の数は日々ますます隠すことが難しくなっているため、ロシアの聴衆はさらなる発言に備える必要があると考えています。ウクライナの情報サービス、Telegramチャンネル「貨物200(Груз 200)」(死亡した兵士を表すコード)と「ホリュシコ(Горюшко)」は絶えず更新されており、軍人の親族は「ウクライナから生還して(Повернись живим з України)」というホットラインに、この回線が設置された最初の数時間から問い合わせています。

ロシアの兵士はどのように死亡した兵士をウクライナで隠しているのか?

ロシアはまだすべての遺体を取り出すことを望んでいません。現場で依然として死者数の実情を隠すためにロシア軍が移動式火葬場を利用したことに関する情報が外国メディアに広まり始めました。普通の車両を装ったそのような移動式火葬場が、長年にわたって軍事兵器と並んでロシアが配置してきたと、いくつかの出版社は主張しています。ロシア軍がおそらく使用しているそのような移動式火葬場の画像は、ソーシャルネットワークや評判のあるメディアに広がっています。「おそらく」という言葉は、外国のメディアもウクライナのメディアもこの情報を裏付けるための信頼できる証拠を持っていないということから使用されています。ロシアの移動式火葬場の写真は、2013年に投稿されたビデオのスクリーンショットです。

皮肉な話です。ロシア人が「兄弟」と呼んでいたウクライナ人は、現在、ロシア兵を印のない集団墓地に埋葬しています。このような行為は主に衛生上の要件によるものであり、敵が排除されたウクライナの都市や村の住民の健康が、遺体が分解されたことにより生成された物質により害されないようにするためのものです。

ロシア軍の生存者はしばしば死亡した彼らの同志の遺体を戦場に残しています。彼らは遺体のいくつかに爆弾を仕掛けているので、一時的に建設した遺体安置所に遺体を収集している時(通常の遺体安置所はすでにロシア兵の遺体で溢れています)、葬儀業者やウクライナ軍の人たちは、しばしば爆発物処理班とともに作業しています。

ウクライナ軍の兵士と緊急事態省の職員によると、一部のロシア軍人は氏名の情報がなく死亡しています。攻撃の前に、司令部は彼らの身分証明書を奪います。そのため、彼らの遺体は、後で銀行のカードや軍事車両に残されたその他の文書により識別がなされています。そして、ソーシャルネットワーク上で素早く検索すると、情報のパズルが一致することがよくあります。もちろん、すべての死亡した敵がそれほど「幸運」であるわけではありません。

ちなみに、死亡したロシア兵は、ウクライナの黒土のための優れた肥料となるだけではありません。 彼らは捕らえられた生存しているウクライナの軍人を救助するのを助けています。軍によると、この非公式の交換のルールは次のとおりです。6人のロシアの遺体と、2人の生きた捕虜が交換されます。

コンテンツ作成スタッフ

プロジェクト企画:

ボフダン・ロフヴィネンコ

企画:

アンナ・ヤブルチナ

編集:

イェウヘーニヤ・サポジニコヴァ

写真編集:

ユーリー・ステファニャク

カバー作者:

ボリス・フロフ

コンテンツマネージャー:

カテリーナ・ユゼフィク

翻訳:

藤田 勝利