「危険(核兵器の使用)は深刻なものであり、それは現実であり、過小評価されるべきではない」と、2022年4月26日の夜にロシア外相が世界にそのようなシグナルを発信しました。人類史上最大の人為的大惨事であるチョルノービリ原子力発電所の爆発が起こったのは36年前のまさにこの日でした。1986年4月26日、それは全世代の生活を変え、プリピャチ市とその周辺30キロメートルの区域を何千年もの間放射能にさらし、ソヴィエト連邦の崩壊を加速させました。災害は数千人の命を奪い、数百万人の人生に影響を及ぼしました。
毎年4月26日、この悲劇は象徴的な運動によって思い出されています。国際非政府組織「プリピャチ.comセンター(Центр ПРИП’ЯТЬ.ком)」のメンバーは、チョルノービリ原発事故から何年も経ったプリピャチの中心部で多くのろうそくを灯しました。世界中の人々が自宅でこの運動をサポートすることができます。それぞれの新しいろうそくは、悲劇の教訓を理解した年がまた一年たったことに対する証でした。
今年はすべてが異なります。
全面侵略が始まってから、ロシア軍はウクライナの原子力施設に脅威をもたらしています。原子力発電所の砲撃、核廃棄物貯蔵施設のへの攻撃などがそれに該当します。1ヶ月以上ロシアの占領下にあったチョルノービリ原子力発電所は、ロシア軍の活動により3月に数日間完全に停電しました。これにより、核廃棄物貯蔵施設の冷却システムが停止し、放射性物質が外部環境に放出される恐れがありました。
3月6日と10日、ハルキウ物理技術研究所のあるピャティハトカ地区を占領者が砲撃し、核未臨界研究ユニットである「ジェレーロ・ネイトロニウ(Джерело нейтронів)」の電源が切られました。 4月16日、3発のロシア軍のミサイルが南ウクライナ原子力発電所の原子炉に命中する可能性がありました。4月25日、ロシアの巡航ミサイル2発がフメリニツキー原子力発電所の非常に近くの場所に着弾したことが確認されています。
3月4日、ヨーロッパ最大の原発であるザポリッジャ原子力発電所の建物とユニットが砲撃されました。この原発は現在ロシアの占領下にあります。占領者は重兵器と弾薬を原発の敷地内に直接保管しており、原発を事実上の軍事基地へと変貌させ、原発のスタッフと周りの都市の人たちを恐怖に陥れています。
そして4月26日の夜、ロシアの巡航ミサイル2発がザポリッジャ方面に低高度で原発の上空を飛行していたのが確認されています。
3月31日に解放されたチョルノービリ区域は半分破壊され、何万人もの人々による苦労の成果がロシアの占領者によって文字通り押しつぶされました。ひどく多くの人々が、1986年の災害から学びを得ていないようです。そのため、今年は区域の境界で(入り口がまだ閉じているため)ゼロから数え始め、4月26日の夜に1本のキャンドルだけを灯すことになりました。
今日、ロシアはウクライナでさらに大きな人為的災害を引き起こす可能性があります(そしてそれを求めているようです。)ウクライナの核施設に脅威をもたらし、核戦争の脅威をちらつかせることによって、ロシアは世界を脅かしています。
1986年、健康を失いつつも多くのウクライナ人がチョルノービリ原発事故の処理作業に加わりました。今日、すでに多くの核犯罪を犯しておりそれを止める予定のないテロ国家とその軍隊を止めるために、ウクライナ人は自らの命を再び危険にさらさなければなりません。ロシアを止めることができ、そして止めなければならないのは世界です。