なぜロシアはウクライナのNATO加盟をそこまで恐れているのか?

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NATO、もしくは北大西洋条約機構は、ヨーロッパで唯一の効果的な集団安全保障システムです。特に現在、ロシアがウクライナを侵略し、ウクライナの独立に関する権利を否定していますが、NATOに加盟することはウクライナの独立と領土保全を維持する上で重要な問題です。

NATOは、冷戦の最盛期である1949年に東欧各国におけるソビエト連邦体制の政府設立に対応して設立されました。実際には、スターリンの拡大からヨーロッパの民主主義を保護するためのものでした。当時、組織にはベルギー、カナダ、デンマーク、フランス、アイスランド、イタリア、ルクセンブルグ、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、英国、米国が参加しました。2022年の時点で、NATOには30の国が加盟しています。

NATOの核は、外部からの攻撃の可能性からそのメンバーを保護する防衛同盟です。ここで重要なのは、集団防衛の原則を規定するワシントン条約の第5条です。1つの加盟国への攻撃は、すべての加盟国への攻撃と見なされます。したがって、NATO加盟国に対して力を行使する脅威は大幅に減少します。一度に30もの国家を合わせた力に対処することは望む者はいないからです。

数十年間、ウクライナはNATOへの加盟を目指していませんでした。クラウチュク大統領とクチマ大統領下での「マルチベクトル主義」の政策は、ロシアを含む1994年のブダペスト覚書の安全保障によって裏付けられていました。しかし、トランスニストリア、アブハジア、南オセチアでロシアが引き起こした紛争は、ウクライナがロシアと一対一にならないために、ウクライナが防衛同盟に加盟する必要があることをますます証明することとなりました。

2008年4月、ウクライナとジョージアはブカレストサミットでNATOに加盟する機会がありました。米国大統領ジョージ・W・ブッシュ政権による有利な立場にもかかわらず、候補国としての地位を与える決定は、ロシアからの圧力もあって、ドイツとフランスによって阻止されました。サミットから4か月後、ロシアはジョージアへの侵攻を開始しました。そして6年後、ロシアはウクライナのクリミアとドンバスを占領したのです。

ロシアは、一対一の関係である国だけを攻撃する覚悟ができています。ロシアへの貢として東ヨーロッパを去るのが、プーチンがウクライナ、NATO、米国に提唱した「安全保障」の本質です。

ロシア国防省が民間人や市街地を攻撃しないことを約束のものの、2,000人以上のウクライナの一般市民がすでにロシアによる攻撃で亡くなっています。数十万人が安全と生存のために家から逃げることを余儀なくされました。ハルキウ、マリウポリ、チェルニーヒウの住宅地の砲撃、幼稚園と学校の破壊、ザポリージャ原子力発電所への攻撃はすべてロシアの占領軍に責任があります。しかし、ロシアがウクライナだけでなくすべての同盟国を一度に脅かしていれば、戦争は避けられたはずです。

現在、ウクライナのNATOへの加盟は、国の人口の大多数によって支持されています。「レイティング」という団体が3月1日に実施したアンケートによると、ウクライナ人の76%がウクライナのNATO加盟を支持しており、これは独立以来の最も高い結果となっています。加えて、ロシアの侵略はヨーロッパの目を開かせ、ウクライナと他の国々のための同盟への扉をオープンにしています。

NATOに参加する歴史的な機会を失うことは、ロシアの「兄」からの独立のために現在精力的に戦っている何百万人ものウクライナ人に対する犯罪となるでしょう。ウクライナのNATOへの加盟は、国の安全を保証するだけでなく、独立を維持するための効果的なレシピです。

コンテンツ作成スタッフ

プロジェクト企画:

ボフダン・ロフヴィネンコ

企画:

ドミトロ・フリブ

編集:

カテリーナ・レフカ

編集長:

イェウヘーニヤ・サポジニコヴァ

コンテンツマネージャー:

カテリーナ・ユゼフィク

翻訳:

藤田 勝利