ブチャ、イルピン、ホストメリ — このキーウ近郊の小さな3つの街の名前は、今や世界中が知るところとなっています。2022年2月24日に全面戦争を開始したロシア軍によって行われたウクライナ人の大量虐殺が初めて明るみに出たのが、まさにこれらの場所だったからです。
3月には、占領軍の最初の攻撃目標となった、キーウ州のポリッシャ地方の複数の集落をめぐる熾烈な戦いが続きました。ウクライナ軍は4月の初めにこれらの地域を解放しましたが、それまでの1か月あまりにわたるロシアによる占領期間は、現地住民にとって真の苦難と悲劇の時となりました。ほとんどの期間は通信手段もなく、避難の見通しも立たず、何よりも、容赦無く街を破壊し、一般市民を殺害する残忍な敵に直面させられていたのです。
破壊と悲しみに加え、ロシア占領軍は一時的に占領されたウクライナ領土の壁に数多く書き残しています。これらは、ロシアの侵略の残酷さと理不尽さを理解するまたとない機会となっています。
2022年4月以来、文化機関「ミジュヴハミ」のチームは、ウクライナ領内でロシア軍が書き残したものを収集しています。彼らはキーウ・ポリッシャ地方やスロボダ地方へ出張したり、オープンソースで資料を探したりしています。彼らの活動の成果は、「ルスーキー・ミール(ロシアの世界)」の真の意味を示すオープンアーカイブ「壁に残された証拠(Настінні докази / ナスティンニ・ドーカジ)」プロジェクトとなります(2023年3月に無償で利用可能になる予定。)このフォトストーリーは、「ミジュヴハミ」チームのメンバーであるロクソラーナ・マカルが説明するこれらの出張の1つに関するものです。