ウクライナ語は武器となり、それにより自国を防衛しており、そして不屈の象徴となりつつあります。ロシアとの全面戦争の間に、私たちの言語は変化し、そして世界を変化させています。今では誰もがウクライナの銃兵隊の歌や「ウクライナに栄光あれ!英雄たちに栄光あれ!」のようなスローガンを耳にしています。ヨーロッパの都市の広場では、人々はウクライナ語で書かれたポスターを持って集会に行き、多くの外国人ボランティアや政治家がウクライナ人を支援するための言葉をウクライナ語で話そうと努めています。
ロシアがウクライナ語を恐れている理由については、以前に紹介したことがあります。
577%とは、外国語学習のオンラインプラットフォーム「Duolingo」でウクライナ語を学ぶことへの関心が高まっていることを示す世界的な指標です(2022年3月20日時点。)このプラットフォームのほとんどのユーザーが米国にいるため、米国で最も多い数が確認されました。
Ukrainedとは、ボランティアによって記載および編集されている英語スラング辞書「Urban Dictionary」に登場した用語です。翻訳では、「ウクライナ化」または「ウクライナ化される」にはいくつかの意味があり、ウクライナとの全面戦争によるロシアの現状と将来の見通しとともに紹介されています。
辞書内記載文の要約;
-「…あなたがロシアであり、国に侵入し、その見返りに世界レベルで屈辱を受けるとき」;
-「…収奪的政治体制のある2番目に大きな国が近隣の平和な国を攻撃することを決定し、その経済が石器時代に戻るほどの打撃を受けたとき」;
-「…この恥辱が今の世代から曾孫の世代まで受け継がれるほど、攻撃者に激しく抵抗したとき」
「人種差別」は、ウクライナ人の語彙においてもう1つの新しい概念となっています。それは占領者を指しており、「ロシアのファシズム」としてその行動を特徴づけています。
ロシア連邦の名前を小文字で書く
侵略国に対するこのような言語における軽蔑のジェスチャーは、ロシアとの全面戦争が始まる前でさえ、一部のメディアで使用されていたのを見ることができます(たとえば、オンラインメディアである「スヴィドーミ(Свідомі)」がそのように記載しています。)
2月24日以降、それはより一般的なメディア現象になりました。「ロシア(росія)」と「ロシア連邦(рф:російська федерація)」といった記載方法は、ソーシャルネットワークのユーザーが自身のページで使用するようになり、一部のメディアや通信社(「フロマーツケ(Hromadske)」および「ウクライーンシカ・プラヴダ(Українська Правда)」のTelegramチャンネル、「バベル(Бабель)」「ナキピロ(Накипіло)」「ウクルインフォルム(Укрінформ)」「UNN」など。)も使用しています。ロシアの独裁者「プーチン(путін)」の名前も小文字で書かれています。
もちろん、これらの単語の小文字での記載は、現在のウクライナ語正書法では定められていません。主観的には、そのような決定はウクライナ人にとって非常にリーズナブルですが、長期的には単語の使用法において混乱をもたらす可能性があります。
戦争中における造語と表現
「チョルノバイフカする(«Чорнобаїти»:チョルノバーイティ)」とは、常に同じことを繰り返すものの、成果を得ることなくむしろそのために多くの苦しみを味わうことです。
「マクロンする(Макронити:マクロニティ)」とは、特定の状況について非常に心配しているふりをし、それをすべての人に見せますが、実際は何もしないことです。
「3日間で(«Затридні»:ザトリドニ)」とは、非現実的な計画を立て、その成功をひたすら信じることです。
それぞれの単語は、ウクライナと世界における現在の出来事に対する反応として出現しています。この全面戦争における文脈に関する知識を必要とする全体像と言い回しが補完されます。たとえば、「ロシアのドルのように」は「非常に高価)」、「モスカリにならないでください」は「悪者にならないでください」となります。
ロシアの占領者を意味する名詞の同義語の種類は大幅に増えました:「オルキ(орки)」「ルスニャ(русня)」「ルサキー(русаки)」「ラシスティ(рашисти)」「ルズキー(рузкі)」「スヴィノサバーキ(свинособаки)」
日常生活でこれらの感情的な単語を使用することは非常に適切ですが、外交およびメディアにおけるコミュニケーションでは、この戦争における犯罪者を明確に識別するために「ロシア人(росіяни)」「ロシア軍(російські військові)」「ロシア軍(російська армія)」などといった単語を使用する方が好ましいです。
最近では、新しいフレーズだけでなく、早口言葉も登場しています。ウクライナの監督兼女優であり、彼女自身の声で行っているオンラインボイスレッスン「息を吐いて、音を出して 2.0(Видихай і звучи 2.0」の著者であるポリーナ・コロベイニクは、口語表現のコレクション)を作成しました。それらのほとんどは、「クララがカールのためにバイラクタルを盗んだ(Клара для Карла вкрала байрактара:クラーラ ドリャ カルラ フクラーラ バイラクタラ)」や「漆黒の夜に、赤いガマズミがフリヴニュクに寄りかかり、倒れなかったが元気になった(Чорної ночі червона калина хилилась під Хливнюка, та не схилилась, а розвеселилась:チョールノイ ノーチ チェルヴォーナ カリーナ ヒリーラシ ピッド フリヴニュカ タ ネ スヒリーラシ ア ロズヴェセリーラシ)」など、現在の状況に即した表現となっています。
ウクライナ語へ切り替えることにしたロシア語話者に対するサポート
ウクライナの大学は、ロシア語を話すウクライナ人がウクライナ語に切り替えることで自信を持てるように、会話クラブを開始しました。このような取り組みは国内避難民に対して無料で行われています。
市民団体が提供するオンライン学習フォーマットも利用できます。このような取り組みは、ロシアの影響が長引いたためにロシア語を使用していたウクライナ東部のウクライナ人の言語的な障壁を克服するのに役立ちます。