2022年ユーロビジョンでのウクライナの勝利が重要である5つの理由

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5月14日、トリノで開催されたユーロビジョン・ソング・コンテストで、カルシュ・オーケストラ(Kalush Orchestra)は音楽コンテスト史上最多の一般投票数を獲得し、見事優勝を果たしました。戦前のコンテストに選ばれた、バンドメンバーのうちの一人の母親に捧げたフォーク・ラップ「ステファニヤ」は、ロシアの侵略が始まってから、ウクライナ人にとって新たな意味を持つようになりました。多くの人にとって、この歌に登場する母親は、ウクライナ、その女性の強さ、そして故郷に帰りたいという切なる願いを象徴しているのです。この記事では、ウクライナのユーロビジョンでの勝利が、なぜウクライナとヨーロッパ全体にとって大きな出来事だったのかについて説明します。

ウクライナ独自の音楽・文化を全世界にアピール

ウクライナは、ロシアの侵略と占領からの解放をめぐる実際の戦いの中で、文化的な面など、物理的ではない面でも戦っています。ロシアは何世紀にもわたって、ウクライナを含む東欧や中央アジアの国々の文化を抑圧し、流用する積極的なキャンペーンを展開してきました。この20年間、ウクライナ人は自国の文化遺産を誇りとともに世界に発信し、その所有権を取り戻そうと積極的に活動してきました。ウクライナのアーティストたちは、しばしばユーロビジョンで自国のユニークで多様な音楽を披露してきました。フツリのトレンビタ*のサウンド、ゆったりとしたクリミアのバラード、モダンなエレクトロフォーク、エスノ・ヒップホップなど、ヨーロッパの人々はユーロビジョンを通じて実際のウクライナの曲に対する愛情を示してきました。今日、世界中でウクライナの音楽と文化を祝うことは、さらに重要なことです。

トレンビタ
トレンビタは、ウクライナ西部の高地に暮らすフツリ民族の間でよく見られる木製のアルプホルンです。2004年にウクライナのユーロビジョン初優勝をもたらしたルスラナのパフォーマンスのオープニングで使用された。

ウクライナを再び表舞台へ

戦争が長引き、メディアの関心はウクライナの出来事から徐々に遠ざかり始めています。毎年2億人近くが視聴するユーロビジョンは、重要な社会的、環境的、政治的問題を強調するために、常に広く使用されてきたプラットフォームです。カルシュ・オーケストラがマリウポリとアゾフスタリを支援するために国際社会に訴えたことは、メディアに取り上げられ、一般の人々の関心を集めています。後者は、グランドフィナーレでのウクライナの演奏直後、Googleで「アゾフスタリ」の検索が急増したことでも示されています。ウクライナの人々は、国際社会が介入し、包囲されたマリウポリのほぼ破壊された製鉄所からウクライナの防衛者たちを救出することを望んでいます。

ウクライナを支援するための寄付の流れを増やす

現在ウクライナで起こっているような最も恐ろしい出来事からメディアの関心が薄れがちなように、一般市民や大きな組織からの寄付も時間とともに減少する傾向があります。ユーロビジョンでの勝利によってウクライナが再び表舞台に登場したため、ロシアの侵略によってウクライナで起きている人道的危機を思い起こす人が増えるでしょう。リトアニアのモニカ・リュー、アイスランドのシッガ、ドイツのマリク・ハリスなど、ユーロビジョンに出場した数名は、国際社会に対してウクライナを支援するよう求めています。こうした各国代表の頻繁な呼びかけや連帯の表明は、寄付金を再び増加させる大きな可能性を持っています。

ウクライナの人々の道徳心と精神を高揚させる

2003年にウクライナがソングコンテストに初出場し、その後ルスラナが優勝して以来、ユーロビジョンは楽しい春の風物詩として国民をテレビの前に集めてきました。しかし、今年、ウクライナの人々は、人生で最もトラウマになるような恐ろしい出来事を経験しているのです。国全体が勝利を信じ、それに向かって努力する一方で、自分たちの土地で起きている人道に対する残酷な犯罪を目の当たりにし、時折、希望を失ってしまう人も珍しくありません。ユーロビジョンでの勝利は、戦争を直接止めることはできないものの、ウクライナ社会全体の士気を大きく高めるものです。多くの人にとって、それはウクライナにまた新たな勝利がもたらされる兆しでもあるのです。

ヨーロッパの顕著な結束を示す

ユーロビジョン・ソング・コンテストは、戦後のヨーロッパが音楽で一つになることを願い、1956年に創設されました。第二次世界大戦以降、ヨーロッパ大陸で最大の戦争が起こっている間、ユーロビジョンは自由と平和の名の下に、各国の驚くべき結束を示し、その創設目的を果たすことを証明しました。ウクライナは468票中439票を獲得し、これは参加国の圧倒的多数が最高点をつけたことを意味します。これは、ロシアと戦うウクライナへの揺るぎない支持を象徴する、ユーロビジョンの歴史において記録的な一般得票となりました。

コンテンツ作成スタッフ

プロジェクト企画:

ボフダン・ロフヴィネンコ

企画:

ユリヤ・ティモシェンコ

写真編集:

ユーリー・ステファニャク

コンテンツマネージャー:

カテリーナ・ユゼフィク

翻訳:

ユリアーナ・ロマニウ