2022年2月24日以降、ウクライナの領空は封鎖されていますが、それは多くの場合、ウクライナ人が飛行機でどこかに行こうとする際に自分たちの命を守るためです。ウクライナ人が生か死かの問題に悩まされている一方、侵略国ロシアの住民は、経済的圧力と旅行の不便さに不平を言っています。
ウクライナに対する全面戦争が始まった数日間のうちにヨーロッパの航空各社はロシアへの飛行を停止し、2月27日にはEU(欧州連合)がロシアの航空会社およびロシアの管理下にある航空会社に対し領空での飛行を禁止しました。ロシアの航空機に対する領空の飛行の禁止はアメリカとカナダも行っています。
セルビアの航空会社エア・セルビアは、ヨーロッパの航空会社の中では最も長く国際的圧力に抵抗していたものの、3月16日にはロシアへの飛行を停止しており、こうしてヨーロッパのフライトの最後の窓口が閉じられました。しかし、ウクライナ観光開発局は、エア・セルビアが3月16日以降もモスクワ・ベオグラード間の航空券を販売していると発表しており、実際にそれらしきフライトを行っていることも Flightradar24 によって確認されています。また、ロシアによるウクライナへの戦争を支援しているベラルーシでも、未だ西側航路は開かれたままです。
航空業界に対するロシアの「敬意」もすでに明らかになっています。3月14日、プーチン大統領は、ロシアの航空各社に対し、国外のリース業者の所有する航空機の利用を、リース会社の禁止に関わらず許可する書類に署名しました。
経済的もしくはロジスティック上の困難にも関わらず、ロシア人は南方面、また東方面の一部のフライトを未だに利用可能です。多くのロシアのセレブや、ウクライナにおける戦争と関わりのあるロシアの公務員の親族が、エア・アラビア、エミレーツ航空、フライ・ドバイ、エティハド航空といったアラブ首長国連邦の航空会社を利用して、「困難な時」を逃れようとしています。イスラエルはウクライナ人に対するビザ免除を取りやめましたが、ロシア人に対しては取りやめていません。イスラエル最大の航空会社、エル・アル航空は、ロシアへのフライトを継続しています。これらの国々とその航空ハブでの乗り継ぎを利用し、ロシア人は今もなおEU諸国、カナダ、アメリカへの渡航を続けているのです。
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トルコもロシア人に対するビザ免除を取りやめておらず、ロシアの航空機に対する領空封鎖も行っていません。トルコ最大の航空会社、ターキッシュ・エアラインズは、ロシアへのフライトを続けています。ただし、ターキッシュ エアラインズは3月10日、トルコから第三国への航空券のロシア人に対する販売を中止しました。これにより、ロシア人のトルコからヨーロッパへのフライトは不可能となっています。
海南航空および中国国際航空も、ロシアへのフライトを継続しています。さらに、オンライン・レーダーのデータによると、中国は、欧米のリース業者からの制裁後に再登録された(つまり、リース業者から実質的に奪われた)ロシアの航空機の自国領土内の飛行を許可しています。また、これらの飛行機は、エジプトとバーレーンにも数回の飛行を行っています。
ロシアとのフライト接続を停止していない国および航空会社は、以下の通りです。
・エジプト
エジプト航空
・モルドヴァ
FlyOne、エア・モルドバ
・カタール
カタール航空
・バーレーン
ガルフ・エア
・カザフスタン
SCAT航空
・キルギス
アヴィア・トラフィック・カンパニー
・アルメニア
エアカンパニー・アルメニア
・アゼルバイジャン
アゼルバイジャン航空
・タジキスタン
ソモン・エア
・ウズベキスタン
ウズベキスタン航空
残虐かつ暴力的で何によっても正当化することのできない戦争の時代に、国際社会は一日も早く侵略国を止めようと一致団結しています。経済的また物流上の圧力は、戦争の参加国でない国々にできて影響力を行使する最も有効な手段の一つです。各国のとる一致団結かつ断固とした対応は、実際に戦争を仕掛けているもしくは今後仕掛ける可能性のある国に対して現代社会において払うことになる代償が何であるかを示しています。
ロシアへのフライトを続け、それによって経済的・物流的な圧力を回避する手助けをしている外国の航空会社の方針は多くの理由で有害です。侵略国家は、軍事目的も含めて人と物の移動を制限されなければなりません。そして、主権国家に対する侵略を言葉や税金等のさまざまな面から支持しているその国民が、戦争中に移動や旅行で不便を強いられるのは当然のことです。
これらの航空会社のサービスの利用を止めましょう。これらの会社は、ウクライナでの殺戮を支持し、ロシアが制裁を回避するのを手助けしています!本記事の国および航空会社リストを共有し、ウクライナに再び平和が戻るようご協力をお願いいたします!