NAFOのFellasとは?柴犬のコラ画像 vs プロパガンダ

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現代のハイブリッド戦争には誰もが関わっており、ロシアの占領者に抵抗する民間人を巻き込む創造性には驚かされるばかりです。軍は公式のものだけではありませんし、武器は金属でできているものだけではありません。特に、柴犬のコラ画像をアバターにしたツイッターユーザーが、インターネット上でロシアのプロパガンダ扇動者の活動を妨害し、軍隊の資金調達のために自己組織化したことは、その証明と言えます。この人たちは、北大西洋機関のいわゆるFellas(あなたが最初に思い付いた北大西洋機構のほうではありません)であり、情報戦線において面白いが効果的な対抗手段を考案したのです。

「通常、我々は治安強化のための国際的なパートナーの援助に感謝します。しかし、今日はユニークな団体、North Atlantic Fella Organization(NAFO)を取り上げたいと思います。クレムリンのプロパガンダや荒らしに対する粘り強い闘いに感謝します。その調子だ、友よ」と、ウクライナ国防省は8月28日、公式ツイッターに書き込みました。その後、オレクシー・レズニコウ大臣自身が、プロフィール写真やTシャツに、柴犬のコラ画像(NAFOを擬人化したもの)を載せていました。

柴犬のコラ画像と防衛省が同列に並ぶのは珍しいことなのでしょうか?しかし、これは現実であり、現代のハイブリッド戦争の鮮明な現れです。

インターネットミームは、対ロシア戦争におけるウクライナ人の真の情報武器となりました。彼らは、士気を高め、社会を団結させ、ロシア人の哀れさを嘲笑し、国際社会の中でロシアの侵略に注意を向けさせることができるのです。そして、ミームの作成者が情報軍と呼べるのであれば、その中のNAFOは、ロシアのプロパガンダと積極的に戦い、ウクライナ軍のための資金を調達する「ツイッター軍団」のようなものです。組織や機関ではなく、ウクライナを支援する同じ志を持つ人たちのミームコミュニティです。

NAFOの歴史は2022年5月、カマ・カミリア(@Kama_Kamilia)というペンネームのポーランド人が、ウクライナ軍のジョージア軍団への寄付のために、Twitterユーザーのアバターを作り始め、柴犬を描いた有名なインターネットミームを親ウクライナのキャラクターとしたことから始まりました。カマは自分のキャラクターを「Fella」(スラング英語から)と呼んでいました。そして、ソーシャルネットワークにおけるロシアの侵略との戦いを物語るこうしたミーム支持のアバターによって団結したツイッターコミュニティは、すぐに、よく知られた軍事・政治同盟であるNATO(北大西洋条約機構)にちなんで「北大西洋Fellas機構-NAFO」と呼ばれるようになりました。

2010年代初頭から、日本の犬種である柴犬は、インターネット上で最も人気のある動物の一つとなっています。ミームの元となったKabosaは、多くのユーザーが目にしたことがあるはずです。暗号通貨はこのイヌのポップカルチャー現象にちなんで名付けられ、何百もの面白い画像がそれにちなんで作成されました。現在、NAFOは、犬に軍服やビジネススーツ、スポーツスーツを着せ、楽器や武器を持たせるなどして、このミームに乗っかっています。

ウクライナを積極的に支援する外国人の間で、このコミュニティの人気は急速に高まっていきました。NAFOのメンバーは、ロシアの国家機関の公式ページを荒らし、ロシアのプロパガンダ扇動者や著名人、政治家に対して公然と嫌がらせをするようになったのです。このツイッター軍団は、彼らのツイートに対してあざ笑うようなリプライを書き、彼らの顔を使ったミームを作り、これらの「人物」のページに大量の苦情を送ります。この猛攻に耐えられず、6月には駐オーストリア・ロシア大使のミハイル・ウリヤノフが「ソーシャルメディアから離れる必要がある」と書き込みました。NAFOにとって、これは自分たちの戦術が有効であることの証しでした。

NAFOコミュニティの目的は、ロシアのフェイク情報やプロパガンダを特定し、嘲笑することです。長年にわたりボットを「育成」し、ソーシャルメディアでフェイクを拡散してきたロシアは、当然の報いを受けました。数千匹のミーム犬が、情報戦線における「特殊作戦」を阻止しているのです。

アメリカヘルシンキ委員会上級政治顧問ポール・マッサーロ、アメリカ下院議員アダム・キンジンガー、元エストニア大統領トーマス・ヘンドリク・イルヴェス、ウクライナ国防大臣オレクシー・レズニコウなどの著名人がNAFOコミュニティに参加し、急成長しています。ウクライナ軍、特にジョージア軍団のために「Fellas」が集めた寄付金は、すでに20万ドルを超えています。「Fellas」になるには、ウクライナの防衛(同じジョージア軍団)の取り組みに寄付をするか、Saint Javelinの公式サイトで該当するグッズを購入する必要があります。

「Fellasに避難している人もいると思います。ウクライナの戦争のこととなると、恐怖もありますが、Fellasは良いムードと何かを変えられる可能性に注目しています。戦争にまつわる困難を理解しつつ、トラウマにならないようにするための、 おかしな見ための善行です」 とKamaは語ります。

コンテンツ作成スタッフ

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ボフダン・ロフヴィネンコ

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翻訳:

藤田 勝利