どのように世界がウクライナを過小評価していたのか

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ウクライナの独立後、長い間、ウクライナはロシアの勢力圏の国として国際舞台で定義されていました。国内および国際的なパートナーの両面においてこのステレオタイプを打破するために、ウクライナは2004年と2013-14年の革命を経験し、2014年のクリミアの一時的な併合とドネツク州とルハンシク州の一部の占領から実際に始まったロシアとの戦争を経験しています。

そして、ウクライナへのロシア軍の本格的な侵略の始まってようやく、「兄弟の民」と「弟としてのウクライナ」の神話の存在を最終的に消し去りました。次に、私たち自身の独立と主権を擁護することによって反論することができたウクライナに対する過小評価の例について伝えていきます。

ウクライナ軍はNATOの基準を満たしていない

2021年11月にNATO事務総長イェンス・ストルテンベルグはオーストラリアのジャーナリストであるジョナサン・スワンとのインタビューで、ウクライナは北大西洋条約機構のメンバーではないため、集団防衛に関する第5条の対象外であると述べました。

「NATOのメンバーになるには、NATOの基準を満たす必要があります。私たちは近代化を支援し、腐敗と戦いました。しかし、30の同盟国が同意する必要があり、ウクライナを招待するためのNATOにおける合意はありません」とストルテンベルグ事務総長は述べました。

一方、ウクライナでは:

2022年3月24日のNATOサミットでのスピーチで、ゼレンシキー大統領は、ウクライナ軍がNATO基準を満たしていないと二度と述べないように同盟国に呼びかけました。また、ウクライナが世界の安全にどれだけ貢献できるかをウクライナは示しているとも述べました。

合計で、NATOには約1,200の標準化協定があり、2021年1月1日の時点で、ウクライナはNATOにおける292の基準を満たしています。The Potomac Foundation財団のフィリップ・カーバー会長は、これらは、近年NATOに加盟した10か国よりも多くのコンプライアンス基準であると述べています。

全面侵略が始まった後、ウクライナ軍は、自国を守るだけでなく、ヨーロッパの東の国境を維持することができることを再び証明しました。同時に、Global Firepowerの総軍事力評価によると、ロシア軍は世界で2番目にランクインし、人的および技術的資源でリードしており、航空機とミサイルの数も大きなものとなっています。

ウクライナの兵士はまた、NATO軍によって使用されている西側の武器について習熟が早くて上手く扱えることを示しました。しかし、特定の種類における兵器の使用ではNATO軍のそれを上回っており、特に、ジャベリン対戦車ミサイルによる正確なヒット数で世界記録を樹立しました。112発のうち、100発が成功しました。

そして今、ストルテンベルグ事務総長は、NATO加盟国は必要なだけウクライナに支援を提供するとすでに主張しています。

あとほんの数時間しかありません

全面侵略が始まった後、アンドリー・メリニク駐ドイツウクライナ大使は、ドイツのクリスティアン・リントナー財務相に支援を求めました。しかし、支援の代わりに、数時間ですべてが終わり(ウクライナは敗北し)、全世界が新しい現実の中で生きることを学ぶだろうと大臣は述べました。

「あとほんの数時間しかありません。(ウクライナに)武器を供給したり、ロシアをSWIFTから切り離したりすることは無意味です」というリントナー財務相の発言をドイツの新聞社であるFrankfurter Allgemeine Zeitungは伝えています。

一方、ウクライナでは:

ウクライナは、すでに100日間ウクライナ自体とヨーロッパ文明全体を守り、米国、英国、ポーランド、その他の国々を含む西洋のパートナーからの支援を受けています。

4月28日、ドイツ連邦議会議員はウクライナに重火器を供給することを決議しました。

リントナー財務相自身が現在、ロシア中央銀行の資産の没収をウクライナのために支持しています。

ウクライナはロシアに譲歩しなければならない

2022年5月19日、The New York Timesは、「ウクライナ戦争は複雑化しており、アメリカは準備ができていない」という社説を発表しました。この社説では、ジャーナリストは、ロシアのウクライナとの戦争に突入することは、ヨーロッパ大陸における長期的な平和と安全を揺るがす可能性があるため、アメリカの利益にはならないと述べています。

この記事は、2014年以降にロシアが占領したすべてのウクライナ領土の返還は非現実的な目標であると主張しています。

ロシアの侵略に対するウクライナの見事な成功は、アメリカとヨーロッパの十分な援助があれば、ウクライナはロシアを侵略前の位置にまで押し戻せるところまで来ていると見たいところである。しかし、それは危険な仮定である。

ウクライナがロシアに対して決定的な軍事的勝利を収め、その中でウクライナが2014年以降にロシアが奪取したすべての領土を取り戻すというのは、現実的な目標ではない。ロシアの計画と戦闘は驚くほどずさんだが、ロシアは依然として強さを保ち、プーチン氏は侵略にあまりにも多くの個人的威信を投資しており、引き下がることはできない。

「ロシアの計画と戦闘は驚くほどずさんだが、ロシアは依然として強さを保ち、プーチン氏は侵略にあまりにも多くの個人的威信を投資しており、引き下がることはできない。対立が結果的に真の交渉につながるのであれば、妥協によって要求されるであろう苦痛な領土決定を下さなければならないのはウクライナの指導者である」と社説は述べています。

その後、5月23日、ダボスで開催された世界経済フォーラム年次総会で、元アメリカ国務長官のヘンリー・キッシンジャーは、ウクライナは妥協してでもロシアとの対話すべきだと述べました。

「(ウクライナとロシアの間の)交渉は、克服するのが難しい大変動と緊張が生じる前に、今後2カ月以内に和平交渉を進めるべきです。理想的には、分割する線を戦争前の状態に戻すべきです。」と同氏は述べています。

一方、ウクライナでは:

ウクライナ軍の抵抗により、ロシアはキーウ、チェルニーヒウ、スーミ州、およびハルキウ州の一部の領土から軍隊を撤退させることを余儀なくされました。また、ミコライウの突破口を封じ込めることに成功しています。占領軍は、残りの戦線で兵士と装備を絶えず失っています。ウクライナの国際的なパートナーは、侵略者に対抗するために軍事援助と武器供与を強化している一方で、ロシアは高精度武器を節約し始めており、5月9日の重要なプロパガンダパレード用に珍しい装備を残しています。

アメリカのバイデン大統領はThe New York Timesにコラムを書き、アメリカの主な目標は強力で独立した民主的なウクライナを見ることであり、国の国境を守るための武器供給を認めました。

ウクライナの軍事専門家、特にオレフ・ジュダノウは、この支援は一時的に占領されたウクライナの領土の解放を可能にすると考えています。

ブッシュの「チキンキーウ」スピーチ、キーウ、1991

1991年、キーウを訪問した際、アメリカのブッシュ大統領は旧ソ連の保護を求めました。当時アメリカは地政学的バランスを崩すことを警戒しており、ウクライナがロシアの関心領域にあると認識していました。

また、当時のブッシュ大統領は、アメリカ人が決して支持しない「自殺的なナショナリズム」を控えるよう求めました。

「アメリカ人は、遠くの専制政治をその地域の専制政治に置き換えるために独立を求める人々を支持することはないだろう。また、民族的憎悪に基づく自殺的なナショナリズムを推進する人々を援助することもないだろう。」とブッシュ大統領はキーウでの演説で述べました。

同時に、アメリカのジャーナリスト、ウィリアム・サファイアはブッシュの演説を「チキンキーウ」と呼び、当時のアメリカの指導者のウクライナ独立を認めることに対する恐れを強調しました。

「この夏、彼のひどい『チキンキーウ』のスピーチで、愚かにもモスクワ中心主義の側にワシントンを置き、歴史の流れに逆らいながら、彼はウクライナ人の自己決定に反対しながらウクライナ人に講義をした」とThe New York Timesの当時の編集者は書きました。

一方、ウクライナでは:

それ以来、2004年と2013年、ウクライナ人が親露派政治家を公職から追放したとき、ウクライナの独立を守るというウクライナの国民的考えは2つの革命を経てきました。ロシアが一時的にクリミア、ドネツクとルハンシク地域の一部を占領し、本格的な軍事侵略を開始した8年間の戦争も同様です。この間ずっと、ウクライナ軍と社会はウクライナを侵略者から守っています。

2022年5月、米国は歴史上2回目となるレンドリース法を導入し、同盟国に武器、装備、食料などを供給しています。ウクライナを支援するために、このプログラムの下で330億ドルという記録的な金額が割り当てられました。

EU加盟

エストニアのケルスティ・カリユライド大統領は、「エヴロペイシカ・プラヴダ」とのインタビューで、ウクライナはEU加盟の準備をするのに20年かかると述べました。

「EUへの加盟には多くの条件があります。そして、率直に言って、あなたの国(ウクライナ、ジョージア、モルドバ)のどれもメンバーシップの基準を満たしていません。準備が整うまで20年に渡る作業が必要です。」

全面侵略が始まってからは、オーストリアのEU大臣および憲法大臣であるカロリーネ・エットシュタッドラーが、EU加盟には5〜10年の必要がある旨について話しました。

しかし実際には、メンバーの同意が、ウクライナの国際機関への加盟の問題において重要な役割を果たしています。たとえば、ハンガリーはウクライナのEU加盟を絶えず阻止しています。これは、オルバーンとプーチンの関係が原因である可能性があります。したがって、ハンガリーの外務大臣ピーター・シアルトは、「ハンガリー人」を保護するという名目で実際にウクライナの国内政策に干渉しながら、ハンガリーが言語法を通じてウクライナのEUへの加盟を阻止すると述べました(ロシア側から「ロシア人」を保護するということと非常に類似しています。)

一方、ウクライナでは:

しかし、ハンガリーのような国々がウクライナを妨害しようと努めたにもかかわらず、ウクライナは加盟候補国に対するEUのアンケートに記入する機会を得ました。また、ドイツのオラフ・ショルツ首相は、EU加盟国から拒否権を除くために連合条約を改正する可能性について除外していません。

エストニアについて言えば、現在、ウクライナのパートナー国の1つであり、特に武器を提供することで、ロシアの占領者との戦いに貢献しています。

世界におけるウクライナ軍

旧ユーゴスラヴィアでの国連平和維持ミッションにはウクライナ人が参加し、成功を収めています。1995年に国連が平和維持軍をNATOに引き渡したとき、ウクライナ軍の部隊が初めてNATO軍の一部となりました。

コンテンツ作成スタッフ

プロジェクト企画:

ボフダン・ロフヴィネンコ

企画:

デニス・シャバニン

編集長:

ナタリヤ・ポネディロク

編集:

イェウヘーニヤ・サポジニコヴァ

写真編集:

ユーリー・ステファニャク

コンテンツマネージャー:

カテリーナ・ユゼフィク

翻訳:

藤田 勝利